現在までに基本的なオープンコード(開放弦を含んだコード)の押さえ方を解説しました。そろそろバレー・コード(Barre=1本の指で同一フレットの複数弦を押さえる)の準備をしたいと思います。題して「ギターの押弦を楽にするアイデア」
その前にギターの状態をチェックをしましょう!
弾きにくい(主には「押さえにくい」)ギターと格闘するのはやめたほうがいいです。購入したばかりのギターならまだしも、昔お父さんが弾いていたギターとか、知人にもらったギターとか、リサイクルショップで吊るされていたギターなど、長いこと放置されていたギターは必ずしも良い状態ではありません。
その中で主に弾きごごちに影響するのは「弦高」です。
弦高はナットの高さ、プリッジサドルの高さ、そしてネックのソリ具合で決まります。ナット、アコースティックギターのブリッジサドルの調整に関しては専門的なスキルが必要になるし、音色にもかなり影響を与えるので、失敗も厭わないDIY精神旺盛な人以外はプロフェッショナルに任せたほうが安全です。(エレクトリックギターのブリッジサドルは比較的簡単に調整できます。)
一方ギターを購入するとほぼ間違いなくネックのトラスロッド調整用の6角レンチが付属されています。すなわち「ネックのソリは自分で調整してください。(調整しても良い)」という事ですね。弦高は気候などの外的要因にも影響されるし、プレイスタイルに合わせる必要もありますので自分で調整できたほうが良いです、というか、すべきです。
というわけで、ネックのソリとエレクトリックギターのブリッジサドルの高さ調整については自分でやりましょう!ここまで書いておいてなんですが、、、youtubeで検索すればたくさん記事が出てきますのでそちらを参考にしてください。m( ̄ー ̄)m
さて「ギターの押弦を楽にするアイデア」本題!
1. エレキ・ギターで練習する。
元々細めの弦が張られているし、弦高も低めだし、アコースティックギターに比べるとはるかに楽にバレー・コードを押さえる事ができます。「持っていれば」の話ですが、初めてバレー・コードにチャレンジする時はエレキ・ギターのほうが楽です。
2. 柔らかい弦、細い弦にする。
アコースティック・ギターで一般的に張られている弦は「ライト・ゲージ(Light Gauge)」です。Martin弦を例にすると1弦〜6弦の太さは順に(単位はインチ)
0.012、0.016、0.025、0.032、0.042、0.054
弾く負荷を落とすには細くするか、柔らかい素材の弦にすれば良い。
以下負荷の順に、、、
2-1. 「エクストラ・ライト・ゲージ(Extra Light Gauge)」に張り替える。
0.010、0.014、0.023、0.030、0.039、0.047
2-2. 「コンパウンド弦(Compound、芯線がシルクで柔らかい)」に張り替える。
0.0115、0.014、0.023、0.028、0.038、0.047
2-3. エレキギター用の弦に張り替える。
名称はメーカーによってまちまち(Super LightとかExtra Light)
0.009、0.011、0.016、0.024、0.032、0.042(Daddario弦の場合)
3. カポタストを2フレットに装着してチューニングを全音(2フレット分)下げる。
カポタストが必要ですが、これが一番お手軽!今回のおすすめダントツNo.1。
今までの記事はなんだったん?(笑)
なお、あまりに柔らかい弦でこの方法をやるとテンションが緩すぎて弦がデロンデロンになってしまいます。この方法を試す時は「ライト・ゲージ(Light Gauge)」を張りましょう。
(ほとんどの場合は買ったままの状態です。用意するのはカポタストのみ)
3-1. ギターのレギュラー・チューニングは6弦〜1弦の順に
E、A、D、G、B、E
3-2. これを全弦全音下げてチューニングする、すなわち6弦〜1弦の順に
D、G、C、F、A、D
3-3. 2フレットにカポタストを装着して全音下げた分を補う。
この状態でレギュラーチューニングを同じになります。
カポタストを装着した後で再度チューニングを確認すること。
チューニングを下げることで弦の張りがゆるくなる、そしてカポタストをつけることで弦高を下げることができる。たったこれだけでかなり弾きやすくなるはず。ちなみに2フレットにつけることでポジションマークとの整合性を保つことができます。これすごく大事ね!
(ボジション・マークは通常3、5、7、9そしてオクターブの12フレットにあります。)
さて、これでバレー・コードにチャレンジする準備が整ったぞ!
以下は参考記事です。
[fig 1] ナット
弦をヘッド側で支えるパーツ。ヤスリで削って調整する。
失敗しても交換してプロに調整してもらえばオッケーだけれどお金もかかるし、専門的なスキルが必要になるのでやらないほうが無難かな、、、中学生の頃自分でやって泣きを見た。どうしても自分でいじりたかったんだよなぁ。。。
チャレンジャーなら自己責任でどうぞ。
[fig 2] ブリッジサドル
弦をブリッジ側で支えるパーツ。ナットと同じく交換可能だからビビる必要はないけれど同じくやらないほうが無難。
チャレンジャーなら自己責任でどうぞ。ただしブリッジ下にピエゾピックアップが仕込んであるギターのサドルは絶対に下側を削ってはいけません!ピエゾピックアップに対する圧力が変わって出音のバランスが崩れます!削るなら上側ですからね。
[fig 3]フェンダースタイルのブリッジサドル
6角レンチを使って弦ごとに高さを調整できる。
メーカーによってレンチサイズがインチ、ミリと違う。合わないレンチで無理にやると角を舐めて使えなくなってしまうので注意が必要。調整用のレンチはギターに付属されているはずです。
[fig 4]ギブソンスタイルのブリッジサドル
通称「チューン・オー・マチック」ブリッジ。
全体的に高さを調整できる。(弦ごとにはできない)
[fig 5]トラスロッドを調整する位置その1(ネックのボディ側)
サウンドホールから覗くと調整用のレンチ穴が見える。
[fig 6]トラスロッドを調整する位置その2(ネックのヘッド側)
ヘッドのカバーを外すと調整用レンチ穴にアクセスできる。
[fig 76]トラスロッドを調整する位置その3(ネックのボディ側)
このタイプはネックを外さないといけないので調整がちょっと厄介。