久々の更新になってしまいました。(反省)
今回から具体的なコード進行のパターン(コードプログレッション)に突入する予定でしたが、「on Bassコードの説明をしておかないとイキナリ困るな」と思い直し、予定を変更してそちらを先に取り上げる事にします。
ここで言う「on Bassコード」とは「GonB」とか「G/B」と表現され、最低音が指示されているコードの事を言います。例えば、G/B或はGonBの場合「コードはGですが最低音はB音にしてください。」という意味です。
その他「分数コード」とか「アッパーストラクチャートライアド」などと呼ばれ、基本となるコードとテンションの組み合わせを示す表記法もありますが、ここではあくまで最低音の表記に限定しています。
on Bassコードの使い方
ここでは以下の2つのタイプについて解説します。
1. 転回形(コードのルートが最低音=基本形、ルート以外のコード構成音が最低音=転回形)
転回形を使うケースは主に2つです。
・メロディとベース音の音程を適切に保つ
e.g. 1
メロディと最低音が重なって響が単純になってしまっています。(2、3小節目)
[譜面クリックでpdfを表示、ダウンロードできます。以下同様]
e.g. 2
e.g.1と同じメロディですが転回形を使うことによりメロディと最低音の音程を見直すことで少ない音数で豊かな響を得ることができます。
ビデオで確認してみましょう。
・転回形を使用して滑らかな(時に印象的な)ベースラインを作る
e.g.3
よくあるG Majorキーのコード進行です。
e.g.4
e.g.3と同じコード進行ですが転回形を使うことによりベースラインが滑らかになっています。
ビデオで確認してみましょう。
2. テンションが入ったドミナント7th sus4コード
e.g.5
9th、13thを含んだドミナント7th sus4コードの表記として使用されます。
Dm7/Gコード(F/Gも同じ)はG7sus4に9thであるA音を、FM7/Gコードはさらに13thであるE音を付加したものですとして扱われます。
どちらも機能的にはG7sus4と同じです。
ビデオで確認してみましょう。
on Bassコードの押さえ方
そんなに難しい話ではありません。コードの最低音を指定された音にすれば良いだけです。
まずは低音弦の音を確認しておきましょう。
#や♭といった臨時記号がついている場合は、、、
#半音あげる(ギターでは1フレット上げる)
♭半音下げる(ギターでは1フレット下げる)
例えば
F#は6弦1フレットのF音を半音上げる、つまり2フレットとなります。
B♭は5弦2フレットのB音を半音下げる、つまり1フレットとなります。
以下、幾つか例をあげて説明します。
e.g.6 C/G(最低音がGのCコード)の押さえ方
Cコードの最低音である5弦3フレットのC音の代わりに6弦3フレットのG音を押さえてC/Gコードが得られます。
e.g.7 G/B(最低音がBのGコード)の押さえ方
Gコードの最低音である6弦3フレットのG音の代わりに5弦2フレットのB音を押さえてG/Bコードが得られます。
e.g.8 D/F#(最低音がF#のDコード)の押さえ方
Dコードを押さえた上で6弦2フレットのF#音を親指で押さえることによってD/F#コードが得られます。
e.g.9 A/C#(最低音がC#のAコード)の押さえ方
Aコードを押さえた上で5弦4フレットのC#音を薬指で押さえることによってA/C#コードが得られます。小指で1弦5フレットのA音、2弦5フレットのE音を押さえることもあります。
この写真は2弦5フレットのE音を押さえた例です。
テンションが入ったドミナント7th sus4コードの押さえ方
e.g.10 Am7/Dコードの押さえ方。
D7sus4コードと比較してみましょう。
1弦開放のE音はD7sus4コードからみれば9thにあたります。つまりAm7/DコードはD7(9)sus4コードと呼んでも良いのですが長ったらしいし、特に鍵盤系の人にとってはAm7/Dと書いた方がコードがつかみやすいという長所があります。(左手でD音、右手でAm7を押さえれば良い)そこではAm7/D或はC/Dというのが一般的です。コードの役割(コード機能)は同じです。
e.g.11 Dm7/Gコードの押さえ方。
D7sus4コードと比較してみましょう。
2弦2フレットのA音はG7sus4コードからみれば9thにあたります。F/Gと書いても良いでしょう。
e.g.12 Em7/Aコードの押さえ方。
A7sus4コードと比較してみましょう。
2弦開放(3弦4フレット)のB音はA7sus4コードからみれば9thにあたります。F/Gと書いても良いでしょう。
次回はVol.7までに扱ったコードを組み合わせて、頻繁に登場するコード進行のパターン(コード・プログレッション)を紹介しながら、より実践的な練習に入りたいと思います。
本当です!