僕がギターを弾き始めた約半世紀前(ワォ)、数少ない教則本の第1章はほぼC Major key(いわゆるハ長調)を扱っていました。内容は開放ポジションのドレミファソラシドと3コードであるC, F, G7の練習です。当時のギターを弾き始めるきっかけになるような曲、例えば「バラが咲いた」とか「白いブランコ」もC Major keyで書かれていました。学校音楽教育の中心にピアノやオルガンなど鍵盤があったこと、五線譜の読み方など楽典の理解にも好都合だったことなどが理由なのかなぁ、なんて思います。
しかしギターを「弾く」という観点からはC Major Keyは第1章向きではありません。簡単に言えば弾きやすいkeyではないです。実際に僕の周りにも避けて通れない“魔のF“で撃沈してしまった人が多数(泣)いたし、若い頃の F トラウマを乗り越えるために習いに来る人も多いです。長いこと講師生活してますが、ギターの習い始めで F を押さえるなんて、いきなりフルマラソン完走にチャレンジするようなもんです。僕なんて今でも嫌いだし、Fなんてさ。
✳︎現在はこの様な結論に達していますが、僕が講師を始めた頃のテキストの入り口はやはりC Major Keyでした。ですから正直に言いますけれど、その頃僕の生徒だった方には素直にごめんなさい。
、、、ごめんなさい。
というわけで
Fコードで挫折したのは決してあなたのせいではありません!!!
ああ、あの頃のギター教則本がG Major key(ト長調)から始まっていれば、ギター人口はもっと多かったかもなぁ、、、というか、今僕がこういう記事を書けるのも色々な蓄積あってのことなので致し方ない。少ない情報を元に教則本を書いていた当時のライターに乾杯!
さて、僕が入門者向けのギターレッスンで最初に取り上げるコードはG Majorで活用されるコードです。例をあげると
G, Am7 ,Bm7 ,C ,D7, Em7(F#m7-5以外のG Majorのダイアトニックコード)
中でも3コードであるG, C, D7は特に大切
Am7など7thを入れてあるのはその方が押弦が楽チンだから
F#m7-5はとりあえずほっといてOK。理由は別の機会に
そして次に
G7, A7, B7, E7(G Majorのセカンダリー・ドミナントコード)
中でもCとD7コードに進行するG7, A7は大切
Bm7に進行するF#7はセーハが必要になるのでもっと後
この中から押さえる手順と音楽的な要素を考えながらコード練習のためのドリルを作ります。
例えば
ここでは例としていきなり7つのコードが書かれていますが、最初は2つを組み合わせて無理の無いように難易度を上げて行きます。
例えばEm7の5弦2フレットを中指で押さえます。次に人差し指で3弦1フレットを押さえればE7の出来上がり!E7の形をそのまま1弦分細い方の弦に移動させればAm7!
簡単なもんでしょ。
こんな回りくどいことをしなくても、いきなり弾けちゃう人もいますけれど、人それぞれ駆けっこの速度が違うのと一緒で、手先の運動能力にもかなりの個人差があります。
パッと弾けない人がなんとか弾ける様に手助けしてあげる、それが僕の仕事です。